ここは日本のとある高校。その中の一つの教室に一人離れた青年がいる。青年の名は、青葉 俊(あおば しゅん)という。俊が離れているのも訳がある。俊は、三日前人を殺してしまったから。ならなぜ学校にいるかというと、一応正当防衛という事だからだ。皆は、仕方ないと言うがやはり人殺しは人殺し。皆が離れるのもしょうがない。それに本人もその辺は自覚しているらしく今一人の友人、遠藤 有樹(えんどう ゆうき)が話しかけようとしているが避けている。
彼は俊の親友の一人だ。彼は2番目に信用されていた。誤解はしないで欲しい。「されていた」と言ったが2番目から1番に変わっただけだから。・・・そしてなぜ2番目で過去形なのかは、三日前の出来事が関係している。


―三日前―


いつものように、俊・有樹そして蘇我 光一(そが こういち)は、三人で学校から雑談をしながら帰っていた。光一とは、俊が一番信用していた親友だ。よく話をし、雑談をしたり悩みを聞いたり聞いてもらったりした。そしてそのときは俊も明るくそしておとなしい性格だった。話を戻すが、三人の帰り道周りに何もない空き地で三人は、見てしまった。銃を持った男と、人殺しの現場を。

「な!」

不覚にも三人は同時に叫んでしまい男に気づかれてしまった。まあ誰でも初めて人殺しの現場を見て冷静でいられる奴などいないと思うが。そして運悪く男が持っている凶器は、先ほども言ったように銃だった。ご丁寧にサイレンサーまでつけている。いったい何処で手に入れたかは男しか知らない。

「ちっ見つかったか。見られたからには死んでもらおう!」

犯人は銃を三人のほうにむけ、容赦無く発砲した。

「う!」

銃からでた弾は、光一の左胸にあたった。丁度心臓部分に命中しているので即死である。たとえ即死でないにしてもすぐ死んでしまうだろう。

「「……こっ光一!!!」

二人は、数秒間唖然としそして同時に叫んで光一に寄り添った。

「光一!起きろ!起きろ!」
「死ぬな、死ぬな!」

二人は、必死に叫んだ・・・しかし返事は返って来るはずはない。そして犯人はあざ笑う様に言った

「無駄だ。だが安心しろお前達もすぐにあの世に送ってやるよ」

その時ついに俊の何かが切れた。

「んのやろおおおおおおお!!!」

普段怒らない奴が怒るときほど怖いものはないというが本当らしい、俊は凄まじい形相で犯人に迫った。しかもかなり常人ばなれした動きで。・・・有樹は、そのとき俊の周りに黒い影がついていると思ったが、放心状態なのでなんなのかは分からなかった。

俊にはもうすでに自我がなかった。そして犯人を殴りまくった、犯人の悲鳴が消えてからも、つまり犯人が死んでからも。殴って殴って殴り続けた。・・・・涙を流しながら。有樹は一分程してようやく立ち直り俊を止めた。冷静になるのは時間がかかったが、警察を呼んだ。

そして今にいたる。
ここは地球から、遠く離れた世界デスティニーアイランド。島では、子供達が楽しく遊んでいる・・・三人を除いて。
その三人とは、ソラ・リク・カイリのことだ。ソラ、リクは、1年前まではいなかったが、ソラが光の扉を見つけ、リクと王様を助け一緒に帰ったのだ。そして今深刻な顔をして・・・と思ったがそれほどでもなかった。とりあえず三人は会話している







「リク、あの戦いが終わってからキーブレードが出続けるのは何でだと思う?」

茶髪のツンツン頭、ソラが銀色で長髪のリクに聞いた。

「分からない・・・っていうか毎日同じ事を聞くな!」
「だって分からないんだからしょうがないじゃん!」
「リクは毎日分からないって言ってるよ。ソラには学習能力がないの?」

そんな馬鹿らしい会話に赤毛で長髪の少女カイリが笑いながら入った。元々そんなに長くは無かったのだがこの2年で伸びたらしい。

「そんな言い方ないだろ、カイリ!」

ソラが頬をふくらましながら言った。

「あはは、ごめんごめん。怒った?」
「べつに〜」

ソラはまた頬をふくらませて言うなか、リクとカイリは、笑っていた。
そんな平和な会話の中デスティニーアイランドの空にまた2年前の様な闇が現れようとしているのは、ここの住人には、当然知るよしもない。





さあ始めようじゃないか闇の宴を

ついに・・・・・・闇は、動き出す。